にほんごのせんせいブログ

日本語教師の日記ブログ

留学生から偽装結婚のお申込み

専門学校で日本語を教えていたころのお話。

 

放課後、中国の学生が

「先生!!偽装結婚してください!!」

とニコニコしながら言ってきた。

 

当時、私はまだ独身だったので、

恥ずかしながら、偽装いう言葉を入れても

突然のプロポーズにたじろいでしまった。

 

訳を聞くと、そろそろビザが切れるのに、

就職がなかなか決まらない。

という。

 

彼が初めから『偽装結婚』という言葉を口にしたころからも、

話の経緯をしっかり説明する様子からも、

本気で偽装結婚をしたいわけじゃないことは明白。

 

もうどうしようもなくて、苦しくて、

誰かに話したかったんだろうな。

 

私は担任ではなかったので、就職状況などは知らなかったけど、

聞いていると本当に大変そうで…。

 でも、当時、就職指導の知識はゼロで、

彼に何もしてやれず。

 

もちろん偽装結婚の話は冗談として笑ったが、

就職の厳しさは笑えない。

 

結局、彼は「特定活動ビザ」という専門学校生が取得できる

就職活動のための短期間ビザを取得したが

就職先は決まらなかったらしい…。

 

その後、私もその専門学校を離れたので、

どうなったのかわからず。

 

 

今まで関わった外国人留学生は1000人以上いるが、

もちろん全員が希望通り日本で仕事したり、

よい学校に進学したりできるわけじゃない。

 

 

指導担当の知識や人脈で、

学生の将来に大きく影響が出ることもある。

 

「先生、なんでこんなところ紹介したの!!?

私の人生どうするの!!?」

と卒業生に詰め寄られた、という話も聞いたことがある。

 

 

ますます厳しくなる留学生就職闘争。

外国人就労の問題は山積みだけど、

いや、だからこそ、目の前の学生たちに

「先の見える進学指導」ができるよう、

しっかり準備に励もう。

 

 

 

新規校準備室で進学資料の取りまとめをしていて、

ふと思い出した偽装結婚の彼。

 

いまごろどうしているだろう。

 実りがあればいいな〜

 


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自宅ではナスが実ってます。